ビジネス

1000回中999回計算ミスを起こさないことは賛称に値するか?【職場ではステージごとに「信頼の得方」がちがう】

ビジネス

どうしてリーダーはリーダーなのかを考えた話

これは自分が最初の会社(同族中小企業のルート営業職でした)に入りたての頃にビックリしたことなんですが、当時の上司(所長)が精算や計算に関する業務を全てパートに任せて、とにかく営業だけやってたんですね。もちろん見積金額の決定など利益に直結するところは自分でやってましたが、計算もざっくりで。新規開拓的な営業所だったので事務処理も多く、Excelを使う業務はほぼ全て任されていました。当時の自分は上司について、「なんで計算とか自分でできないので、偉くなれるんだろう?」と考えていました。(若いですね)

そして転職をして、大学生のアルバイトが多い職場でスタッフを見ていたのですが、アルバイトスタッフにもリーダーになる学生さんが多い中、「しっかりしているのにリーダーには向かないスタッフ」が、いつも数人はいることに気づきました。このスタッフは本当に作業が丁寧で、事務作業もしっかりとこなすスタッフでした。

逆にリーダーは何が長けているのか、と考えたりしますが、リーダーになる人材、リーダーになれない人材というのを対比して見たとき、あることに気づきました。

 

リーダーシップに必要なものから、「役職者に必要な要素」を考察

このあたりは様々な見方で、様々な考察ができそうですが、ひとつ言うなれば

・1000回中999回計算ミスを起こさないことと、リーダーシップを発揮できることは、無関係

ということです。

従業員(スタッフ)は最初は新人から始まり、役職が上がるにつれて責任や業務の難易度が上がり、やがて部下も多くなり、さらに上級役職へと進みますが、その人数が絞られてくるのも同時に発生します。

すると、「そのステージごとに評価される内容が違うのでは?」と思うようになりました。
例えばある学校で、次の2人の生徒を想像してみてください。

  • A「簡単な計算問題で、1000問中999問正解する」
  • B「簡単な計算問題がどれくらい正解するかは分からないが、いつも世界的にも非常に難しい問題にチャレンジしている」

なんとなく、生徒Bの方が年齢が高い感じがしませんか?

次に、「実は、このAとBが同じ生徒」だったらどうでしょう。時間的な流れを考えると、

  • A→Bは想像できるけど、B→Aは違和感を感る

と思いませんか?
このように感じる人間の集合体が組織、それが集まって社会だとすると、先程の昇格のモデルケースと照らし合わせたとき、「ステータスごとに評価の基準が違う」という事実にたどり着いたような感じがします。やはり信頼を得ることがリーダーだったり役職者になるのだとすると、「自分の立ち位置で求められているのは何か?」を見誤ってはいけない、ということになりそうです。
つまり、信頼を得る方法というのは

  • 『まずは正確さが大事』その後『正確さよりも大事なことをターゲットとして動けるか』

と、ざっくりとしていますがこんな感じになっていると思います。大事なのは、『ある段階で、信頼の得方は変わってくる』ということです。

今回は計算問題のミスという例でしたが、これは「極めて簡単なこと、当たり前のこと」の比喩であり、「ルーチン作業はミスなくこなす」「指示内容をちゃんと理解できる」という現実的なことに置き換えてください。
現実的な例だと、
Xさん「入社当時はルーチン作業をひたすらこなしていましたが、その中で問題点が見つかり、自分が課長になったタイミングで一気にクラウド化し、業務の効率化を実現できました」
という事例はけっこう耳にします。Xさんの社内の信頼度は高いでしょうし、言葉の重みが違いますね。
Xさんがただ単に「私はルーチン作業のミスは本当にありません。10万回に1回あるかないかです」という自己紹介をしたら、そこに重みは感じられないと思います。これは、この人に変化を感じられない・・つまり、「作業の正確さ」だけでは、ステージを上げてきた根拠=成長を感じ取れないからだと思います。

 

最後に

会社には、先輩、同期、部下、上司、役員、社長、色々なポジションの方がいますが、皆それぞれのポジションの中で、組織が儲かるためにやるべきことが、それぞれに(個々に、と言ってもいいかも)あるので、「計算ミスばっかりするくせに」「資料に誤字が多いくせに」といった部分を見てもストレスが溜まるだけで意味がないです。
どうせなら、「どういったと成果をあげて、そうなったんだろう」と、何か自分にとっても役に立つかもしれない情報を探りたいものですね。

補足:同族企業や大手グループの場合、縁故採用や天下り、といったケースもあります。それは、プライベート(プライバシーまで含む?)を含めて駆使し、信頼を得た結果なのかもしれませんね。

コメント

タイトルとURLをコピーしました