データ分析で用いられる「モデリング」とは、結果がどうなるかについて答えが得られるようなモデルを作ることであり、ここでいう「モデル」とは、データから作った方程式、法則のようなものです。
ものすごく平たく言えば、「とにかく簡素化して、法則を見つけて作りましょう」ということです。
今回は身近な例をあげながら、特にビジネスデータ活用で必ず役に立つ形で理解できるよう、解説を行います。
「モデリング」「モデル」とは?
「モデリング」という言葉自体は色々なジャンルで使われており、例えばデータ解析では「統計モデリング」の中に「一般化線形モデル」「階層ベイズモデル」等があります。他には心理学やコンピュータグラフィックスなんかでも出てくるようです。
モデリング・モデルその言葉自体の定義は先ほど説明した通りではありませんが、あくまでビジネスデータ活用に役立つような解釈を考えたとき、
モデリング=「とにかく簡素化して、法則を見つけて作ること」
モデル=「とにかく簡素化して作った、法則や方程式のこと」
くらいのイメージで捉えていただければ良いかと思います。
実際のCMから「モデリング」を体感する
早速、実戦してみましょう。
まず、次の2つのCM(各15秒)について考えてみます。
CM① 「Cloud CIRCUS(クラウドサーカス)」TVCM「やってみなサーカス 運用簡単」篇 15秒
CM② CM【elgana(エルガナ)】働き方アップデート篇
(2021/01/28現在、同じ日に両方ともTVで見ました)
この2つのCMに、「共通点・パターン」があったはずです。
・オフィス
・何か困っていた、心配事があった様子
・いきなり女性タレントが出てきた
・商品紹介
サラリーマンが困っている→いきなり女の子登場「これなら解決」→商品紹介→おしまい
多少の差異はあれど、このようになりました。
これで、モデリング完了です。【オフィスツールCMモデル】が完成しました。
ここで行った「【共通点】の書き出し」と「【パターン】の組み立て」は、
【パターン】の組み立て=整理した情報から「たぶんこうだろう」という法則を組み立ててみた
という作業であり、これはビジネスデータ分析で行っていることそのものになっています。
ビジネスとモデリング
モデリングを行う利点は、『目の前の情報をとにかく簡素化していることから、本質に近づくことができる』という点に尽きます。
ビジネスデータ分析の場合、もしこのCMがものすごく効果的であれば、「効果的なCMの法則を見つけた」ということになり、この法則をビジネスに活かすことができるのです。
データ分析の場合、今回でいうところの【パターン】を数式で表すことがほとんどです。ただ、それは様々なデータを文字式に置き換えているだけであり、全体像としては何も変わりありません。
今回のCM考察は、ニュアンス的には「推理」に近い内容でした。(参考:データ分析業務のいろいろな例え)
データ分析自体の目的の理解とともに、「モデリング」の身近さを感じていただければ幸いです。
(おまけ)今回のCMを無理くり数式で表現してみる
※思いつきで作ったので、間違っても参考にしないでください。(もはや趣味の世界)
【初級】
「CMの魅力度を高めるのに一番効果的なのは、女性タレントを使うこと」だと分かった(係数が一番大きいから)
【中級】
【上級】
個人個人のタレントへの好感度を正規分布に従う誤差といて組み込み、中身を正規化して確率で表現し、$n→∞$で極限をとってそのCMを見た人の購入確率を…とか考えましたが、想像に体力が追いつかないのでこの辺にしときます。
・・・結局のところ、いろんな情報を入れ込もうとすると数式はややこしくなりますが、「案外シンプルなことしか書いてないこともあるよ」ということで。
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