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ビジネス現場で役立つ絶対重要な『ベネフィット』【実学的な例の紹介あり】

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ベネフィットは大事です。ベネフィットを読み取ることを行わないと、業務に支障をきたすレベルだと思います。

…とは言っても、実は日常生活の中にも他人のベネフィットは見え隠れしていて、日常生活レベルでは無意識に対処しているものです。問題は、「なぜかビジネス、仕事になると同じように対処ができないことが多い」ということです。

概念的なものは例をたくさん見て想像するとやがてイメージが形を持つようなると思うので、今回はベネフィットに関する「印象に残る例」を色々と挙げていこうと思います。

 

まずはベネフィット自体の意味から確認

『ベネフィット』(Benefit)は日本語だと「便益」「利益」といった意味になります。一番混同されやすい言葉は『メリット』になる、と説明されます。
『メリット』は、その商品やサービスの強み、良い意味の特徴になります。こちらは、イメージ的にはベネフィットより浅いです。

さて、ベネフィットはさらにいくつかのタイプに分類されます。

 

・機能的ベネフィット(コスパが良い、腰に負担がかからない 等)
・情緒的ベネフィット(高級感がある、これで安心 等)
・自己実現ベネフィット(自信が持てる、自慢できる 等)

 

これは顧客が本当に望むことをタイプ分けしたもので、顧客がその商品を検討する理由、動機にあたります。同じ商品でも顧客によってその目的は違う場合もあるため、これが見極めることができれば最高の営業ができるでしょう。

商品の特性や自社のポジショニングからすれば、目の前の顧客のベネフィットがどのタイプなのかについて、ある程度絞られると思います。これをどう見極めるか、というテクニックも興味深いところですが、今回は割愛します。

これはあくまで座学レベルのお話なので、「ベネフィットはいかなるものか」を知るにあたり、そこまで問題ではありません。

 

初級(初歩的な例)

ベネフィットの説明で出てくる有名な例は、ドリルです。『ベネフィット』をネットで検索すると、どこもかしこもドリルだらけです。

「ドリルを買ったお客様は、ドリルが欲しかったわけではない。ドリルであけた穴を求めているのだ

この例は、ベネフィットの最も単純な例です。最も単純が故に、現実ではいかに複雑になっているのか対比的に見ることができるという点で、初級レベルでしょう。

 

中級(日常生活で無意識に対処しているベネフィット)

日常生活にもベネフィットは見え隠れしています。無意識に対処している部分に意識をフォーカスしてみましょう。

 

「授業参観も近いから、ちょっとお洋服を新調しようかしら?」

 

「たまには外食でもしようか?」

 

「今日はお父さんもお母さんも、帰ってこないんだよね…」

 

その言葉、行動の裏にはどんな狙いがあるのか?

そこにベネフィットがある、ということに気づけたら、もうベネフィットを制したも同然です。

日常のベネフィットを制したい(?)場合は、心理学なんかを勉強すると良さそうですね。

 

上級(実学的なベネフィットの説明)

それでは、複雑怪奇なビジネスの世界ではどのような言葉から「ベネフィットが見えている」と判断できるでしょうか?
最も鮮やかに表現されている一節をご紹介しましょう。

「ユーザーは、ハードを買うんじゃないんです。ユーザーはソフトを買うんですからね。だからユーザーは、面白いソフトを遊びたいということで、ソフトを買うんです。ところがコンピュータですから、ハードがないと遊べないんですよね。”仕方なく”ハードを買うんですよ」

引用:任天堂(1996年当時)社長 山内溥氏

この一節には、ベネフィットを的確に捉え、当時では素晴らしい戦略にまで落としこんだ実学が詰め込まれています。

 

ベネフィットが見える「目」は洞察力を格段にUPさせる

ベネフィットは、意識しないと見失いがちですが、意識さえすれば簡単に確認することができるものです。

なぜ『チェア』でなく、『”ゲーミング”チェア』なのか?
なぜ『ピアノ教室』でなく、『”大人の”ピアノレッスン』なのか?

そのネーミングが「どのような顧客のどのようなベネフィットに向けてのものなのか」が自ずと読み取れるようになるはずです。

データに向き合うと、データの向こうにある顧客像からベネフィットを推察することになるため「データを上手く活用してベネフィットを探るアプローチ」というテクニックもありますが、まずはベネフィットを意識できるようになることが今回の記事の目的でした。

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