ビジネス現場テクニック

探索的データ分析(データマイニング業務)で必要なスタンスとは?【”戦略的謙虚さ”を使いこなす】

ビジネス

これはコンサルティング業務にも共通することかもしれませんし、ひょっとしたら営業職一般にも(当然ながら?)当てはまっていることかと思いますが、データマイニング・特に探索的にデータに向かおうとするなら、

「自分はまだまだです」という謙虚さ

が大事だと思います。

さらにこの謙虚さは、あくまで「戦略的」であってこそ、実践で役立つと思うところによく直面します。

例えば、もし自分が「車(国産車)」に精通しているとします。

自動車ディーラーの営業データ分析案件を引き受けた際、これは想像しやすいと思いますが、どうしても「自分自身の過去の経験、知見」がバイアス(先入観など)となってしまい、「いや、私が思うに・・」となりがちです。実際にこのように口にしなくとも、心の中ではそう思ってしまうものです。

これを打破するには、とにかく「事前情報をリセット」するしかないです。

しかし、これが難しい。

次に考えられるのが、とにかく「客観的に、どこまでも俯瞰的に見る」ことです。

しかし、これもまた難しい。このあたりは、まさに『頭では分かっているけど、難しいこと』です。

そこで、最も手っ取り早くバイアスを和らげる導入方法があります。それは、

・新人のように、とにかく『謙虚』に

です。まさにその会社に新卒で、まっさらな気持ちで入ってきた新人くらいの心持ちで望むのが手っ取り早く、

「本当に知らない・分からないので、教えてほしい!」
「こんな時期に入ってきたので、色々聞かせてください!」

と、意図的にそういった姿勢でまずは望むのが効率的です。
ただ、これは「無知」とは違っていて、「ボク、インターネット知らないです!」だとやりすぎなのは想像していたただけると思います。
(むしろ、こいつで大丈夫か?と心配になりますよね・・)

結局、謙虚な姿勢で何を見ているのかというと、先方の『評価・感情』を見ているのです。

先ほどの自動車ディーラーの例だと、

    • 他のメーカーや販売店について(どこのメーカーには、どんな部分で勝っていて、どこが至っていないと感じているのか)
    • 自社の顧客について(どういう顧客が優良顧客と感じているのか)
    • 自社業務について(どういう部分が不満なのか、どんな作業が効率が良く、どこが部分が非効率なのか) ・・・

といった具合に、「情報量がまっさらな相手に教えてあげよう」と、こちらから持っていくことが大事なのです。

もし、この最初の部分で自分自身の感情、評価を表に出して共有してしまうと、「やっぱりそうですね」という同調が生まれ、これがプロジェクトにおけるバイアスになってしまいます。

そして、この謙虚なスタンスでスタートすることのメリットは他にもあって、それは『先方が自社自身を改めて見直すきっけかを生む』というものです。

スーツを着た男性のイラスト(ひらめいた顔)

当然ながら、同じ会社であれば全社員が同じ意見、同じ感情であるはずもなく、先方にとっても「個人レベルの、一歩深い情報の共有」が自ずとできてしまいます。
(派閥ほどはっきりくっきりしたものより、もっと手前の感情や意見、スタンスレベル)
社内にも様々なスタンス、意見があってよし、というのはそのとおりなのですが、残念ながらビジネスでは結果につながらない、もしくは損失を生む可能性が高い、リスクが高すぎる意見は「否」とせざるを得ないので、いずれ誰かのとある意見は否定されることになるものです。一番まずいのは、それを「見えないところで進行されている」という状況です。

一体どんな意見が「正解」となるかは、いずれデータ分析によってある程度明るみに出てきます。この正解は、「何かを否定すること」が正解であることもあるのですが、そもそも「否定できるもの」がなければ、これは実現しません。もし、否定できるもの=否定すべきものが見えないところで進行していれば、いつまで経っても「正解」が見つかりませんよね。

まとめると、

・成果につながる正解は、「何かを否定する」ことかもしれない。
・「結果的に否定すべきもの」が見えないところにずっとあると、いつまで経っても「正解」は見つからない。
・だから、「結果的に否定すべきもの」かもしれない考え、スタンスは、早いうちに見える状態にしたい。
・それをひとまず表に出す=見える状態にするには、「意図的に謙虚なスタンスで初めて、とにかく意見や感情を教えてもらおう」

ということになります。
(これは、謙虚を捨てるタイミングは、分析結果という裏付けが取れたあとにやってくる、ともいえます。)

結局のところ、『どんな職種も、どんな場合も、最初は謙虚にいきましょう』が万能なのかもしれませんね。

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