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マーケティングの歴史をビジネスに活かす方法【マーケティング1.0→2.0→3.0→・・・】

マーケティング

マーケティングの歴史をビジネス現場に活かす

マーケティングの概念や手法は、時代とともに変化してきました。我々は現在(2021年時点)「4.0」の時代にいる、ということになります。
しかし、実際にデータに関わる様々な企業の方々にお話を聞くと、必ずしも「今は4.0の時代だ」と意識していないような思考が見受けられます。これは当然のことであり、その企業、商品のマーケティングに業務として直接関わっていないと、なかなか意識できることではありませんし、そもそもその企業自体がこのようなマーケティングのVer.を意識していない、ということも考えられます。
今回お伝えしたいのは「遅れているからダメ」ということでなく、「今、我々の仮説は時代に適しているのか」を確認するために必要な知識と、「どれくらい遅れているのか、理想と乖離しているのか」を具体例を通じて確認できるようになろう、ということです。

マーケティング1.0~4.0の移り変わりから分かる「顧客理解の困難さ」

それぞれのVer.は、簡単にまとめると次の通りです。

マーケティング1.0(~1960年代)
良い製品が、よく売れる。安いほど、より売れる。
→大量生産、コスト削減 = 生産者中心・製品中心
マーケティング2.0(1970~1980年代)
いろんな顧客に、それぞれ適した製品・売り方を
→価格競争だけではダメだ = 顧客中心
マーケティング3.0(1990~2000年代)
さらなる顧客の理解が必要・顧客との距離を詰めるべき
→ 製品や価格以外の活動の必要性
マーケティング4.0(現代)
企業と顧客のあるべき理想の一致を求める
→より深い、内面まで詰める → CS(顧客満足度)に精神的な満足も考慮

それぞれの時代に重要とされた各種マーケティング理論があり、ビジネスデータサイエンスに関係の深いものもいくつかあります(STPやRMF分析など)が、各分析手法の詳細はまた別の機会で紹介できたら、と思います。

ざっとVer.を見てみると…順を追って理解していかないとチンプンカンプンになりそうですね。端的に特徴を見ると、

  • 「段々と、企業が顧客理解に努めようと、顧客に寄り添ってきている」

といった感じがすると思います。

よく「お客様の立場に立って考えることが大事」と聞きますが、まさにそれを表しているようであり、マーケティングの歴史が1900年代あたりから始まっていると考えると、「いかに顧客理解が難しいか」が分かります。そして、その難しさは技術的な問題でなく、「常に意識することの難しさ」に近い感じがします。

現場の仮説はVer.のどのあたり?

それでは、商品を売るための考え(仮説)がどれくらい時代遅れになっているのか、について、有名な例として『自動車のCM』のパターンで見ていきましょう。

ケース1(1.0)「出力最大○○馬力、パワフルな走が○○万円」

→典型的なマーケティング1.0ですね。昔はやたらと性能の高さ、価格の安さを打ち出していました。

ケース2(2.0)「安全走行モード搭載、カーナビも標準装備」

→自動車の購入者には色々な用途で車に乗る人がいるため、ややターゲットを絞った形になっています。この例だと、いわばライトユーザー向けになっているため、その層に向けたメッセージになっています。

ケース3(3.0)「CO2排出量低減業界一、環境に配備したエコなエンジン」

→基本性能は当然のこととして、メーカー、またその製品のスタンスをメッセージに込めることで意識的な部分で教案を得ようとしています。

ケース4(4.0)「週末は家族と、『好き』のお供に」

→もはやメッセージだけでは何の商品なのかよく分かりませんが、最近はイメージ的なCMをよく見かけると思いませんか?

商品戦略や議論を交わすとき、実際に打ち出そうとしている施策はどのあたりに近いのか?を確認することが重要です

実際に現場に活かすには

このマーケティングのVer.は、必ずしも最新の4.0でないといけない、というわけではありません。ポイントとしては、

・業界の「普通ライン」はVer.どのあたりか?
あまりに乖離していると、顧客が違和感を抱いてしまうかもしれないので注意。
・競合他社はどのあたりのVer.が強く見えるか?
実際にどのVer.か、は問題ありません。顧客がどのように見えるか、で判断OK
・自社の考えが古いVer.だとしても、それは後につながるようになっているか?
結果的にマーケティング1.0のような打ち出し方であっても、後につながるような仕組みであれば問題なし

ということです。

ここからは戦略論になるので見解は様々になりますが、他社との相対的に見て「あえてecoを打ち出す」「あえて低価格を強調する」という戦い方もありです。競争は押し引きで勝敗が決まる部分もあるため、戦略的にどのVer.の魅せ方にするか、を練るのもひとつの戦術になります。

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